『どんな一年が入ってくんのかなぁ?』


瞳を輝かせているうちの学校の女子。
そんなのどうでもいいけど。


がちゃっ


『『きゃーっ!』』


うるさいな。
私はパッと顔をあげる。
目の前には整った顔立ちの無表情の男の子がたっていた。

バックの色から見ると一年生か。


『…どいて。』

『あのね、私は上級生なの。そこはわきまえて行動しなさい。』

『……わかった。名前は?』

『鮎川七瀬。あなたは?』

『…春川つばさ。』


声もイケメンだ。
でも、私は彼の瞳だけが気になった。
まるで、怯えているのかのような色のない瞳。

それ以外は、薄い唇、整った輪郭、筋のとおった鼻、ハスキーな声。
瞳だけが―――――。


『…じゃ、またね、鮎川先輩。』

『あ、うん。』

『……鮎川七瀬。なんであんなこまで手玉にとるわけ?』


これもいつものこと。
別に私はもてるわけじゃないし。
けど、誰彼構わず接してしまうから、こんなことをいわれるだけ。