「うう・・・?」


「あら、アリス。おはよう」



目を開けると、そこにはお姉ちゃんの顔と


青い、綺麗な空があった。




「私・・・寝ていたの?」


「そうね・・・
私の膝の上でかなり眠っていたわ。」



そういうと、お姉ちゃんは
私の頭を撫でた。



ほほに当たる風が心地良い・・・


アリスは笑を漏らしながらまた、深い夢の世界へ落ちていった。





アリスは五歳離れたお姉ちゃんと二人姉妹で

父母と四人で幸せに暮らしていました。




村で一番といっても過言ではないほど
美人なお姉ちゃん。


髪の毛は金髪で、少しカールがかかっていて、

顔は鼻筋の通ったな鼻と

綺麗な二重まぶたの目。


笑顔がとても可愛い、
そんなお姉ちゃんがアリスは自慢でした。



お父さんとお母さんは、市場で野菜を売っています。



甘みのある、
とっても新鮮な野菜が自慢の
農家でした。



アリスはそんな家族の中に生まれました。


アリスの周りには
男女問わず、様々な友達がいました。



幼馴染のジェシー


おとなりさんのココレット・・・



たくさんの友達と一緒に、
毎日、小川の隣の草原で遊んでいました。



追いかけっこをしたり、
おままごとをしたり、

アリスたちは朝早くから夕暮れまで一日中遊びます。



そんな遊びも今日はお休みして、
おねえちゃんと一緒に小川にピクニックに来ました。




「お姉ちゃん」

「なあに?」


お姉ちゃんがにこやかにアリスに答える


「こんな日々が、いつまでも続くといいね・・・」



「?いきなりどうしたの?


・・・そうね、いつまでも続くといいわね」



「うん・・・・」




アリスは、

何年経っても、こんな日々が続いていくんだろうな


と、思っていました。






「じゃあ、そろそろ帰りましょうか。」



お姉ちゃんが帰ろうとして立ち上がった瞬間に



「あ!!!」


とアリスが叫んで、目の前を通った白うさぎを追いかけていきました。




アリスは、このあと起こることをわかるはずもありませんでした。

アリスが十歳だろうと、何歳だろうと、
想像できなかったはずです。



さっき、自分が考えていた未来がなくなるとは・・・