「傷、ここだよ。手当てしていい?・・・じゃないと、死ぬけど」

あたしはそこを見た。

右腕がぱっくりと裂けて、血を吐いている。

うわああああ。

「てっ、手当てしてっ!!」

言うと、目の前の美形はゆっくりとうなずいて、さらにゆっくりとした手つきで包帯を巻き始めた。

「違う世界に、高速で飛ばされるから、人間には耐えられないんだよ。

だから、こうして、体が裂けちゃう」

はっとする。

そうだ。

あたしは、マヤの後を追いかけてきたんだ。

くらくらしながら、頭を起こす。