「マヤいなくなったらしい」

「え?」

ルイカはあたしを見た。

あたしは、ルイカの方に近づいた。

「あたしの目の前で。風景が裂けて、そこから出てきた巨大な手に、つかんで連れて行かれてしまったんだ」

目を見開いている。

それから、ゆっくりと、その目に冷静さが戻ってくる。

「巨大な・・・手?」

「うん。それ以外、手がかりがないんだ。何か、ルイカに分かることない?」

あたしの頭の上で、何かがぶるんと身震いをするのを感じた。