そこから、黒紫の、巨大な腕が2つ、ニョキリと出てきた。

『マヤはやらない』

腕は、低い、しゃがれた声を発すると、マヤの体を、

両手で掴んだ。

「マヤっ!!!」

マヤは意識を失ったようにくったりとなっている。

あたしは、マヤを抱き止めようとて、そのまま、床に激突した。

「つっ・・・」

振り返ると、マヤも、腕も、消えていた。