高校に入学してそろそろ夏休みにはいる頃、校内はガヤガヤと落ち着かない。
大抵の生徒は夏休みのプランをたてたりしている。

そんな中私は友達のマオと購買部へ昼ごはんを買いに行っていた。
「ユリさ、夏休みなんか予定とか入ってる?」
私は片手におにぎりとお茶を抱えていたとき、横にいたマオがさりげなくきいてきた。
「特にないけど?」
「本当!?じゃあさ、海とかいかない?クラスの何人か呼んで」
「いいね。でも私水着もってないし....」
「今日買いにいこうよ」
....ということで放課後マオと水着を買いに行く約束をした。

マオは私の過去の事件を知っている。
痴漢にあったこともそのせいでお兄ちゃんを失ったことも。
それを聞いたマオは同情せずただ私を抱き締めてくれた。
優しくてお兄ちゃんみたいに。