「ぐすっ…ヒック、ご、ごめんなさ…、」

「いいよ、無理に話さなくて。」

「うぅ、っ、」



例の打ち上げが行われた次の日。
いつも連れている犬は居らず1人でやってきた彼女は、俺を見るなり泣きながら抱きついてきた。
私はやっぱりシンデレラにはなれませんでした、そう言って。



「…ちょっとは落ち着いた?」

「はい、…ありがとうございました。」

「いいよ、…良かったら、話聞かせてくれる?」

「はい、…やっぱり、振られちゃいました。同じ学年の人に好きな人がいるらしいんです。私なんかは到底かないません。」

「…諦め、ちゃうの?」

「はい、でも気持ち伝えてすっきりしました。…いっぱい協力してくれたのに、ごめんなさい。」

「…そんなこと、」




じゃあ、俺にすればいいのに。

だけど、その言葉を言う勇気は今の俺には無かった。