「うん、可愛いと思うよ。」

「本当ですか!じゃあこれにします。」



次の日曜日。
約束通り彼女の服を選ぶため俺らは街中に着ていた。

いつもの散歩姿とは違う彼女の格好にちょっぴりドキドキしつつ、本当のデートみたいだなと錯覚にも陥りそうになりつつ俺は彼女に似合う服と靴を選んだ。


お待たせしました!と会計を終え走ってやってきた彼女に笑いつつ、店を出る。


…なんか、見られてる感じする。


周りを見てみると、男も女も何人かの人が俺らに注目していた。



「なんか俺ら見られてるね。」

「あ!それ私も思ったんです。やっぱりかっこいいから見られるんですよ!」

そう言って俺の肩を叩く彼女。

「は?君が可愛いからだろ?」

「ええっ、違いますよ!だって、見てるの女の子ばっかりです!」

「だからって俺ではないだろ…。」

「…意外と鈍感なんですね。」


くすくす、と笑う彼女。
シンデレラは、魔法になんかかからなくても十分すぎるほど綺麗だった。