好きな人が出来ました。



これは、俺と彼女がまだ知り合い程度だった頃の話。
俺がまだ片思いしていた頃。
少し顔を赤らめて、だけど嬉しそうに語る君の姿に、一瞬思考が止まった。


朝6時の公園のベンチ。
毎朝ランニングしてる俺と、毎朝愛犬の散歩をしてる君はもうすっかり顔見知りで、会えばこうやって話をするのが恒例のこととなっていた。



「えーと、君の高校の人?」

「はい!2こ上の3年生の先輩で、すっごくかっこいいんです!」

「…………そう。」


俺だって、君のいっこ年上なのに。
なんて、考えるのは止めた。だってあまりにも君が幸せそうに話しかけてくるから。


「サッカー部の先輩なんです。私、マネージャーしてて。だから、いつもかっこいい姿を見ることができるんです!」


にこにこと、その先輩を思い出しながら幸せそうに語る彼女。