「………。」

「いただきます!」

「っ、待っ、て。」

「え、?」

「あ、違、…ごめん、なんでもないよ。」

「…?」


シャクリ。
君の口の中へ消えていく甘い甘い密入り林檎。



「すっごく美味しいですよ?食べてください!」

「んー、だって毒入りかも。」



くすっ。

「メルヘンですね。大丈夫です!もし倒れても私が口付けして起こしてあげますよ。」



いや、それじゃ逆だろ。
第一、君だってもう毒に犯されてるかもよ?



そう言うと、もう一度君は笑う。



“そのときはあなたが口付けしてくれるでしょう?もしあなたも毒に犯されていても、あなたの毒なら平気です。”


じゃあ一緒に林檎を食べよう、白雪姫サマ?



          「白雪姫」end