沸き立つ2-6の扉がガラガラと開き、初老の教師が入ってくる。

理科2の吉 我意(きち がい)という教師だ。

この教師、生徒にかなり嫌われている。
更年期障害なのか、すぐ生徒に怒鳴り散らすためだ。理不尽な理由で。
あと、スケベなのも原因である。

最初の授業がこれか、と十はため息をついた。
小和田はもう教科書やら辞書やらを積み重ねて寝る準備をしている。
埼玉はそんな人生の様子を見ながら、いつ怒られるかなとワクワクしていた。
河合はちゃんと授業を受ける準備をしている。

それぞれ反応は違えど、この授業を嫌がっていることに変わりはなかった。