キリが、 授業中に話しかけてくる。 「どうだった?」 あたしは愛想笑いを浮かべて、 「うん、楽しかったよ?」 楽しいというか、緊張して ほとんど覚えていない。 でも、あのきれいな雪と空は はっきり覚えている。 「湧も、そう思ってたらしいよ」 当たり前でしょ、と言いながらも 喜んでいる自分。 もうちょっとあたしが 素直だったら、この想いは すぐ伝わるのに…。