彼女、河江遥菜の悲しそうな顔を、
俺は1度も見たことがない。
授業中は真面目な顔をしているけれど
それ以外で見かけるときは何時だって
満開の笑顔をその顔に浮かべていた。
“見かけるとき”は。
彼女は学校を休みがちで
長いときは1ヶ月くらい顔を出さないときもあった。
やっときたと思っても
午前中で帰ったりすることもあった。
そんな河江に
「今日は来てるんだ、めっずらしいー」
なんて嫌みったらしく冷やかしを言う奴もいたけれど、
「そうなの!えらいっしょー!」
と、彼女はこれまた綺麗な笑顔で返す。
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