【短編】そばにいるよ。

 
サクサクと雪を踏みしめながら歩いていると、ふとあることに不思議に思ったあたしは、ナオから贈られたハンドクリームと、常に携帯している自分のハンドクリームを見比べてみる。

……あ、やっぱり。


「同じだ」


特に手に入れにくいものでもないのだけれど、ハンドクリームなんて使ったことのないようなナオに、どうして分かったのだろう。

また不思議に思い、しかしながら、コロンのお世話にも向かわなければならないため、歩きながら頭をフル回転させる。

すると、昨日、ナオがあたしの部屋で休んでいるときに何気なくハンドクリームを使ったことを思い出して、思わず頬に熱が走った。


「……ほんっと、バカ」


ナオの前でハンドクリームを使ったのは、たぶん昨日が初めてで、となると、なんだか歯切れが悪い言い方をして帰っていったあと、わざわざドラッグストアまで足を運び、同じハンドクリームを買った、ということになる。

いよいよこれは、グリコちゃんが言ったことは本当なのかもしれな……くもなくもない。

いやいや、頭が混乱している。

とりあえず、ワンブレイク挟もうか、カナ。
 

そう自分に言い聞かせ、頭の中にはコロンの可愛いお尻を思い浮かべながら、先を急ぐ。