すると、相当おかしな顔をしていたらしく、グリコちゃんに笑われてしまい、それでもナオがあたしを好きじゃない理由を思いつくだけ並べると、しかし、またしても笑われてしまった。

もう……。

グリコちゃんまで、なんなんだ。

急に、ナオはあたしのことが好きだ、なんて言われてもリアクションに困るし、不安が解消されてさっぱりしたとはいえ、さっきまで泣いていたのに、少々、復活が早いのでは……?

まだ目の周りは赤いのだけれど、にこにこと笑いながら、あたしをからかってくるグリコちゃんに、そんな疑問がふっと浮かぶ。


「うーん、カナちゃんがそこまで言うなら、これ以上は言わないことにしておくけど、ひとつだけ。椎橋君はきっと、イブはカナちゃんのケーキを食べに来るはずだから、とびっきり美味しいのを用意しておいてあげて。じゃあね」

「え、ちょっと……!」

「あたしのことは気にしないでね。バイバイ」

「……、……。えー……」


けれど、グリコちゃんはそう言うと、あたしの制止もむなしく空き教室を出て行ってしまい、ぽつんと取り残されたあたしは、しばらく、その場から動くことができなかった。

もう、なんなの……。