【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

廉君は小さく笑うと、大切なものを扱うように優しい仕草で、あたしの頬へと手を添えた。

思ったより冷たい手の感覚が、ヒヤリと心地良くて瞳を閉じる。

「もう一度だけキスしたら、部屋へ案内するよ」

返事を待たずに、重ねられた唇は

廉君の想いを伝えるように激しくて…

でも彼そのもののように優しくて…

頭の芯が溶け出してしまいそうに熱かった。


廉君、あなたが大好き…。


だけどね、どうしてもこれだけはお願い。

恥ずかしいから、さっきみたいなキスは、二人だけの時にしてね?

またお母さんの前であんな事したら…

あたし、怒って帰っちゃうからね?