【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

「あの人はヤバイんだ。
天性の女好きでプレイボーイなんだよ。
香織を狙っているから…あの人には気をつけて?
話しかけられても無視して良いよ」

「そんな…あたしを狙うなんて考えすぎよ。
あ、でも…今度のパーティで踊って欲しいって言われて…」

「マジで?ダメだよ。
香織が踊るのは僕だけで良い。
誰に誘われても断って良いからね」

「うん。ダンスなんてした事ありませんからって、はっきりとお断りしたわ」

「よかった…。紀之さんは強引だから気をつけて。
香織があの人に触れられると想像しただけで吐き気がしそうだよ」

「クス…心配性ね」

「心配だよ。僕の大切な彼女だって知ってて、あんな事をしてくる人だからね。
あの人に限らず話しかけてくる男には警戒するんだよ?」

笑いながら頷く彼女に、僕はもう一度念を押す。