「それから二つ目の約束だ。
香織、君はこの後救急車で病院へ運ばれる。
安田さんの事が心配だろうけど、まずは自分の治療をして欲しい。
今は極限状態で痛みもあまり感じないかもしれないけれど、君の怪我は自分で思う以上に酷いんだよ。
頭を強打していたり、内臓に損傷があれば深刻な事態になる。
安田さんの事は僕の両親に任せて、君はご両親と一緒に医師の指示に従って、きちんと検査を受けて欲しいんだ」
「でも…安田さんはあたしを庇って…」
「今無理をして後遺症でも残ったら君を庇った安田さんの思いが無駄になる。
彼が目覚めたときに安心させるためにも…解かるね?」
「…う…ん…そうね、解かったわ。
でも検査で問題が無ければ安田さんに付き添っていてもいい?」
「…お医者様が許可してくれるなら構わないけど…。
無理はダメだよ? 僕も出来るだけ早く用事を済ませて病院へ行くからね」
「廉君…何処かへ行くの?」
「僕は小村を捜す。
本当は君に付き添っていたいけど、あいつを捕まえなければ君と安田さんの安全は確保されないからね。大丈夫、今夜の内に必ず見つけてやるよ」
「…小村を? ダメよ、廉君。危ないわ!
あの人、おかしいの。狂っているんだわ」
「狂ってる? だったら尚更野放しにはできないよ。
…あいつは生きている限り安田さんを狙ってくる。多分、君のこともね」
香織はビクリと肩を震わせた。



