【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~


安田さんが瀕死の重傷で、乱暴に扱えば危険であることも、頭から吹き飛んでいた。

「放せ…っ! 香織を放せ。
…助けて……お願いだ。
香織を助けて…っ!
放してくれえぇぇぇっ!」

助けて…香織を助けて…。

この手を放してくれたら何でもする。

香織を助けてくれたら何でもする。

お願いだ。誰か…

誰でもいい。

神様…いや、たとえ悪魔であってもかまわない。

僕の魂が代償であっても後悔しない。

だから…だから…


お願い。誰かっ…


「…香織を…助けてくれ…」


救いを求め天を仰ぐ。


その瞬間思い出したのは、顔も知らない一族の女性だった。