まさか百合絵の死の真相と共にその存在を消す為に小さな亡骸を闇に葬ったのか?
怒りで視界が赤く染まるのを感じた。
彼女を最後まで苦しめた一族とは、どれほど冷酷で残忍なのかと腸(はらわた)が煮えくり返る思いだった。
怒りが沸点に達した俺に、更に追い討ちをかけたのはあの男だった。
俺達を引き裂き、百合絵を苦しめ、我が子までを死に追いやったあの男が葬儀に来なかったのだ。
彼女の身内が無礼な仕打ちに憤慨し、奴への制裁を決意するのを、俺は遠くから怒りに震えながら見ていた。
制裁だと?
一族に泥を塗った無礼に対する制裁なら、そんなものいらない。
欲しいのはそんなものじゃない。百合絵の哀しい魂を鎮める為の復讐だ。
怒りで、気が狂いそうだった。
必ず復讐してやると誓った。
彼女を追い詰めた尾田と―…
最後まで苦しめた一族に―…



