母親が見ていようと、誰がそこにいようと構わない。

今すぐに香織を補給しないと僕は倒れてしまいそうなんだから。

「…んぅっ…れ…ん…」

無駄とわかっていて抵抗する香織がちょっと可哀想になってようやく唇を離す。

彼女の顔は真っ赤で、首筋も、白い腕も、広く開いた胸元も、全部桜色に染まるほどに上気していた。

僕に押し付けられる形で、大きく上下している胸。

その動きからも、まだ鼓動が速い事が窺え、彼女がいかに驚いたかを物語っていた。

自然に釘付けになる視線。

さりげなく外すくらい、いつもはスマートに出来る僕なのに、何故か今日に限って上手く出来ない。

触れ合う胸に伝わる香織の鼓動が、心拍数を更に上げていく。


甘い香りが僕を誘う…


桜色に色付く首筋へと口づけたい…




本能が頭を擡げた。