久しぶりに見た香織は周囲の新緑が色あせてしまうほどに綺麗だった。

「お帰りなさい。廉君」

真っ直ぐに僕の元へと駆け寄ってくる香織に両手を差し伸べると思い切り抱き締めた。

「香織、良く来てくれたね。遅くなってごめん。
…会いたかったよ。早くその笑顔を補給しないと死にそう。もっと良く顔を見せて?」

「廉君ったら、恥ずかしいよ。廉君のお母さんが見て…っ…」

いきなり抱きしめられるとは思っていなかったらしく、慌てて僕から逃げようとする香織を無視して素早く唇を奪う。

早く香織を補給しないと本当に死んでしまいそうだった。

彼女の甘い香りが僕の心を癒していくのがわかる。

もっともっと…
と、砂漠で水を求める旅人のように彼女を求めて唇を重ねた。