それを見つけたのは、梅雨独特の湿度が高く、今にも降り出しそうなどんよりとした雨雲が立ち込めた、6月も終わりに差し掛かった日だった。
おばあちゃんの家で暮らし始めて1週間、退屈し始めていたあたしは本を借りようとしておばあちゃんの部屋へと向かった。
そして本棚の影に隠してあったあるものを見つけたのだ。
茶色いシミがついたショールと、おばあちゃんに宛てた一通の手紙。
それがまさか、自分の出生に纏わる秘密だとは思いもせずに、興味本位で手にとってしまった。
手紙の内容は、父親が生まれたばかりのあたしを、おばあちゃんに託したいというショッキングなものだった。
理由は明記されていなかったが、誰かに追われていたらしく、あたしの存在を隠して欲しいとあった。
ショールのシミが血ではないか思い、もしかしたら自分の本当の父が誰かを殺めた殺人犯かもしれないと不安になったあたしは、おばあちゃんに真実を問い詰めた。



