そこまで考えたとき、ふと、何か引っかかるものを感じた。
何かを忘れているような…
大切なことを見落としているような…
その感覚が何なのか、記憶を手繰り始めたとき、まるで映画の予告編を観るように昨日の出来事が滅茶苦茶に入り乱れて脳裏に浮かんだ。
次々と入り乱れフラッシュするシーン。
鮮明に思い出そうすればするほど記憶に靄が掛かっていく。
もどかしさに苛立ちながらも意識を集中し記憶を辿ると、突然あることを思い出した。
その瞬間、雷に撃たれたような衝撃で立ち上がると、部屋を飛び出し地下へ駆け込んだ。
昨日の今日ならば、多分まだここにあるはずだと見当をつけて、それが保管されていそうな場所を探し回る。
思ったとおり、それは整理棚の中にあった。
「…動転していたとはいえ、どうしてすぐに思い出せなかったんだろう」
僕の声は擦れていて、誰もいない地下室に妙に大きく響いた。



