頭の中は混乱していた。
余りにも衝撃的な事実が次々と明らかになり、その内容の痛ましさに改めて自分の置かれた環境は異常だと思った。
全ては一族結婚を繰り返す古いしきたりが生んだ因縁。
いつの頃から何の為にそれが必要だったのだろう。
一族の頭首(とうしゅ)である泉原の当主様はその理由をご存知なのかもしれない。
もしかしたら春日のおじい様も…。
泉原を頭首とする一族5家の中でも、泉原に次ぐ権力を持つ春日家は、古(いにしえ)より闇の力と呼ばれる暗殺組織を代々受け継ぎ、一族の繁栄に仇となるものを抹殺してきた。
血塗られた仕事を任されてきた家系ゆえ、継承者は一族の中でも冷静かつ残忍であることが要求されるとも言われる。
それゆえ春日の血筋を繋ぐことは他家以上に難しい。
継承を拒むものも多く、その重圧に精神を病む者すらいたらしい。



