「出逢った頃から今日までの事、一晩中話そうか」
「…うん」
僕は彼女を抱き上げると寝室へと向かった。
彼女を抱きしめて、出逢った頃から今日までの事を順に紐解くように話し、想いを語った。
初めて互いを知った春。
偶然にも想いを知って告白をした秋。
共に過ごした季節はいつも色鮮やかな風景に彩られていた。
日ごとに募った恋心。
キスを交わすたびに深まった愛しさ。
誰よりも互いが好きで
誰よりも大切だった
思いは言葉で語るだけでは伝えられなくて
時に苦しくなるほどの切なさを
時に溢れて止まらない愛しさを
何度も唇を重ねて伝えた



