【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~


全て僕のせいだ…

こうなることは予想できたはずなのに、彼女を傍に置きたくて、あえて現実を軽視していた。

愛しさから手放せない理由を、彼女を護る為と摩り替えて、言い訳をしていた。

僕は自分の我が侭で、彼女を危険に巻き込んでしまったんだ。

なんて馬鹿だったんだろう。

まるで、お気に入りの玩具を片時も離せない子供だ。

僕が大人なら、もっと早くに気付いていただろう。

本当に大切なら、ガラスケースに入れて大切に保管しておくべきだったのだ。

かけがえの無い存在だからこそ、傷つける前にその手を放す必要があったのだ。


君を護れるだなんて、驕(おご)りだった。


僕には君を護る強さも、愛する資格も無い。


何故…自分がこんなにも無力であることに


もっと早く気付かなかったんだろう。