全て僕のせいだ…
こうなることは予想できたはずなのに、彼女を傍に置きたくて、あえて現実を軽視していた。
愛しさから手放せない理由を、彼女を護る為と摩り替えて、言い訳をしていた。
僕は自分の我が侭で、彼女を危険に巻き込んでしまったんだ。
なんて馬鹿だったんだろう。
まるで、お気に入りの玩具を片時も離せない子供だ。
僕が大人なら、もっと早くに気付いていただろう。
本当に大切なら、ガラスケースに入れて大切に保管しておくべきだったのだ。
かけがえの無い存在だからこそ、傷つける前にその手を放す必要があったのだ。
君を護れるだなんて、驕(おご)りだった。
僕には君を護る強さも、愛する資格も無い。
何故…自分がこんなにも無力であることに
もっと早く気付かなかったんだろう。



