【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

心配する廉君やお母さんの心遣いはありがたかったけれど、あたしにはどうしても別荘に戻りたい理由があった。


今夜だけは…


廉君の傍で過ごして、彼の温もりを感じて眠りたかった。


病院で彼が流した涙に、あたしは決意のようなものを感じていた。

もしかしたら、今夜が廉君と過ごす最後かもしれない。

なんとなく、そう感じていた。

もしも今夜が最後なら…

彼と一晩中楽しかった思い出を語り合って過ごしたい。

彼の腕の中で最後の思い出を作りたい。


廉君、お願い。自分を責めないで…


あたしは、あなたの笑顔が大好きなの。


笑って? ねぇ…


最後にあたしの大好きな笑顔を見せて?


そしたらあたし、あなたが苦しまないように


ちゃんと笑って言えると思うから


『さようなら』って