真っ白な部屋で、あたしは目を覚ました。
いつも目覚める廉君の別荘とは違う、目に痛いほどの白い壁。
天井の蛍光灯が部屋を冷たく照らし、夏だというのに寒さすら感じる。
張り詰めた空気の中、規則的な電子音だけが白い壁に共鳴するかのように、妙に大きく聞こえた。
ここはどこだろう…。
ぼんやりと覚醒を始める意識を、耳に馴染んだ声が揺さ振った。
「香織、目が覚めた?」
声のする方向に身体を動かそうとして、肩と背中に激痛が走り眉を顰めた。
なに?この痛み。どうして―…
―――!
それまで霧が掛かったようにボウッとしていた意識が、突然クリアーになったかと思うと、次の瞬間、今日の出来事が次々と頭の中のモニターに映し出された。
滅茶苦茶に色んなシーンが入り乱れ、浮かんでは消えていく。
目を背けたい光景に不快感が押し寄せ、背中の痛みの理由を思い出した時、あたしを護り大怪我をした人物の事を思い出した。



