【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

顔に掛かる酒の匂いを帯びた息に思わず顔を背けると、唇を噛み締めギュッと目を閉じた。


目の前の恐怖と現実が消える。

浮かんできたのは廉君の優しい微笑だった。


廉君…ごめんね。

あたしもうあなたに会えない。


たとえ二度とあなたに会えなくても

あなたに触れる事も叶わない穢れた身体になっても

お願い。あなたを想い続けることだけは許して欲しい

こんな事になったのは悔しいけれど

あなたを好きになったことだけは

絶対に後悔しないよ、あたし



廉君…



大好きだったよ…