紀之さんがここへ来ていた。 そして…香織と…何かあった…? 乱れたベッドに嫌な予感が過ぎり、思わず香織を引き寄せた。 フワリと鼻腔を擽り心を癒す甘い香りが広がる。 その中に… 認めたくないもう一つの香りを見つけ愕然とした。 どうして…? 何故香織は何も言わない? 紀之さんが来たことすら隠しているのは何故だ? 女に手馴れた紀之さんが本気になったら、香織だって惹かれるかもしれないと、不安に思ったことが脳裏を過ぎる。