「もうすぐ…廉君が来るわ。ここで鉢合わせるつもり?」
「いや、もう俺が仕掛けなくてもジジイが動くのは時間の問題だ。その前に俺が動けば少しはマシかと思ったんだが…」
「…それって…」
「誤解するな。別にお前達の味方って訳じゃない。
だが春日のジジイのやり方は酷すぎるからな。
俺みたいに誤解させて仲違いの切っ掛けを作る程度の事で終わらせるつもりは絶対にないだろう」
険のある言い方と憎悪さえ秘めた冷たい瞳に、彼の知る恐怖を見た気がしてゾクリとした。
ドアに向かって歩き出す紀之さんを視線だけで見送ると、ドアノブに手をかけて肩越しにあたしを振り返る。
「気をつけろよ。あいつはもう動き出している。
しっかり廉に護ってもらえ」
……次に会う時、お前がまだ笑顔でいられることを祈っていてやる
聞き取れないほどの小さな声でそう言うと、紀之さんはドアの向こうへ消えていった…
「いや、もう俺が仕掛けなくてもジジイが動くのは時間の問題だ。その前に俺が動けば少しはマシかと思ったんだが…」
「…それって…」
「誤解するな。別にお前達の味方って訳じゃない。
だが春日のジジイのやり方は酷すぎるからな。
俺みたいに誤解させて仲違いの切っ掛けを作る程度の事で終わらせるつもりは絶対にないだろう」
険のある言い方と憎悪さえ秘めた冷たい瞳に、彼の知る恐怖を見た気がしてゾクリとした。
ドアに向かって歩き出す紀之さんを視線だけで見送ると、ドアノブに手をかけて肩越しにあたしを振り返る。
「気をつけろよ。あいつはもう動き出している。
しっかり廉に護ってもらえ」
……次に会う時、お前がまだ笑顔でいられることを祈っていてやる
聞き取れないほどの小さな声でそう言うと、紀之さんはドアの向こうへ消えていった…



