【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

「どうしてそんな哀しい瞳(め)をするの」

「…え?」

「あたし達を傷つけたいのかも知れないけど…むしろあなたが傷ついているみたい」

「な…に…?」

驚きに見開かれた目で痛いほどに見つめられる。

目を逸らしたくなる衝動に耐え、必死にその視線を受け止めて、彼が次にどう行動するか全神経を張り詰めて待った。

互いをじっと見つめあう時間がどのくらい続いただろうか。

それまで張り詰めていた部屋の空気がビリッと一瞬振動するほどに高まった後、弦が切れたようにふっと緩むと、紀之さんが弾かれたように笑い出した。

ひとしきり笑うと、押さえつけていた肩を外しあたしの上からどくと、腕を取ってベッドの上に座らせてくれた。