【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

一人になった部屋で何をするでもないが、一応客室でテレビもあればベッドもソファーもある。

テレビでも見て廉君が来るまで待とうと、ソファーに座った時、チャイムが鳴った。

少々早い気はしたが、安田さんの用事が済んだのか廉君が早く戻れたのだろうと、すぐにドアを開けようとして一瞬戸惑う。

『絶対に一人で部屋を出たり、私と廉さん以外を部屋に入れたりしないでくださいね』と言った安田さんの真剣な表情を思い出だして、念のためドアスコープを覗くが、そこには誰の姿もなかった。

「誰?…廉君?」

「…うん」

立ち位置が悪くてスコープの範囲に映り込まなかったのだと解かり、ホッとしてチェーンを外す。

『あなたは廉さんに微笑んでいてくださればいいんですよ』という安田さんの言葉を思い出し、最高の笑顔でドアを開けた。


「お疲れ様、廉く…」

「やあ、お留守番かい?」


ドアの前に立つ人を見て息を呑んだ…。

そこにいたのは廉君ではなく

彼がもっとも接触を避けたがっていた男性だった。