その日、僕らは一日家でのんびりと過ごすことに決めた。

家の周囲を散歩したり、プールで遊んだり、香織に夏休みの宿題の解らない所を教えたりして、いつもの僕達らしく過ごした。

こうして二人でいると、あっという間に時間が過ぎていく。

明日からまた、僕は仕事へ行かなくてはいけない。

オープンが近いだけに、定時に帰宅という訳にはいかないだろう。

それでも1週間死ぬ気で仕事をした分だけ、今までより早く帰ることが出来そうだ。

せめて香織と一緒に夕食を出来る時間までには帰宅できるようにしたい。

そのために、この1週間頑張ってきたのだから。

「次の休みはいつになるか、まだ判らないんだ。
寂しい思いをさせるかもしれないけど…」

「大丈夫。お母さんと色々予定しているの。毎日一緒にお夕食を作るから、楽しみにしていてね」

「香織が作ってくれるの?楽しみだな。じゃあ、早く帰ってこなくちゃね」

昨日、僕が帰るまでの1時間ほどですっかり仲良くなった二人は、既に明日からの予定を幾つか決めているらしい。

一緒に買い物へ行くとか、おいしいデザートの店へ行くのだとか、あれこれ話してくれる香織に、よくあれだけの時間で、そんなにプランが出来たものだと感心してしまった。