さっき走り出していたはずなのになんでここにいるんだろ? 「ほい」 梶谷はあたしを支えながら松葉杖を拾って渡してくれた。 「ありがと………」 「てかさ、その足大丈夫かよ」 「まあ、大丈夫ではないね」 さっきあった痛みはなくなっていたけど、またいつ出てくるかはわからない。 「お前でも、ドジったりするんだな」 「うっさい」 「こんな段差でこけたりしてるし」 「まだこけてない!」