「で、何の用?」 カレがあたしを見る。 カレの目にはあたしが映っていて、視界にはほかの女の子なんていない。 今あたしが望む幸せが訪れた。 もうね、それだけで幸せなんだよ。 それでもあたし、欲張りだからさ。 「あのね、お願いがあるんだ。」 「なに。」 あ、声が震えてる。 言うのが怖いから? 違う、あたし‥‥泣きそうなんだ。 滲む視界がそれを教えてくれた。 でももうちょっと待って。