「は?アホかお前」


そのとき、竹内くんが追いかけているのに気づいたお友達が、不機嫌そうに眉をひそめて言った。


「お前に話があって来たに決まってんだろ」

「…え、」

「察するもんだろ。─ 彼氏だろ?」


くいっとわたしの方を顎で指してから、わたしに向かって少しだけ口許を緩めたお友達。

そして、竹内くんを置いて、階段を登っていった。


「……あ、えっと…」


くしゃっと髪を掴んで、バツが悪そうにわたしにゆっくりと近付いてくる竹内くん。


昼休みだと言うのに、なんだか静かな空気が流れて。

バツの悪そうな表情が、いっそう、わたしの不安を膨らませていく。


…彩月ちゃん。
わたし、誘えないかもしれません。