好きになったのも、きっとわたしが先。


真夏に缶のコーンスープを飲んでた竹内くんに、話したこともなかったのに思わずわたしが
『コーンスープ?』
って、言っちゃったんだ。

その後の、
『あ、バレた?』
って、かくれんぼで鬼に見つかった子供みたいな無邪気な笑顔に、わたしは目を奪われたんです。


きっと、竹内くんは覚えてない。


「…しょうがないなぁ、芹は」


ため息混じりに落とされる彩月ちゃんの言葉は、なんとなく落ち着く。


「彩月ちゃん…」

「大丈夫だよ、竹内くんなら」


優しさに涙が滲んだころを見計らって、「年中コーンスープ飲んでるような人が軽い気持ちで付き合うわけないじゃん」なんて彩月ちゃんはけろっとして言うんです。


たしかにコーンスープいつも飲んでるけど。

それとこれとは別な気が…


「ほら、それ確かめるためにもさ!」

「……?」


「一緒に帰ろうって、言ってきなよ」


一緒に帰ろうって、言ってきなよ

いっしょにかえろう

イッショニカエロウ


「………え、えええ!?」