「…竹内くんは」 「ん?」 さっきまでの笑顔のまま、わたしを見た竹内くん。 でも、わたしがなかなか言い出さないから、表情が変わっていく。 「…竹内くんは…っ」 「…うん?」 「わたしじゃない子にも、スープ買うの…?」 もし、もしも。 さっきの電車に乗って帰った女の子が、わたしみたいに手袋もカイロもなかったら? わたしじゃなくても、買ってたのかなって。 竹内くんの彼女は、本当にわたしじゃないとダメなのかなって。