缶を渡すときに、触れそうで触れない指先にドキッとしたり
パキッと簡単に開けちゃうのを見てドキッとしたり
とにかく、心臓が忙しい。
「はい」
白い息みたいにもくもくと上がる湯気の向こうで、竹内くんが笑ってる。
「…ありがとう」
黄色の缶を受け取るとすぐに、ほんのり甘い香りが鼻をくすぐって。
誘われるように口を付けたとき、これ以上にないくらい幸せだと思いました。
「おいしい…」
「だよね!コーンスープ超うまいよな」
本当にコーンスープがすきなんだなぁ…
コーンスープの話になった途端、輝きが増した竹内くんの瞳。
「でもこのメーカーより学校の自販機のやつがうまいんだよなー」っていう言葉を聞いたものだから、
わたしはきっと、明日学校でコーンスープを買うんです。

