【企画】そらごとスープ





「飲まないの?」

「…え?」


不意に話しかけられて、肩が跳ねる。

「ソレ。」と指す先には、わたしの手の中にある未開封の缶スープ。


「…っあ、もしかして嫌いだった!?」

「え、ちがっ…!その、…」


“もったいなくて、飲めないんです”


い、言えるわけないよっ。


「…芹ちゃん?」


ち、近いいぃ…!

言いかけてやめたわたしを覗き込んで見る竹内くん。

竹内くんは、気付いてないみたいだけれど、さっき50センチだったわたしたちの間は30センチに縮んだんです。


どうしようどうしよう!
顔があついっ…!