15分も早く着いていたはずなのに、気づけばあと5分で6時半。 わたしの隣を人が通るたびに、どきっとする。 早く来てほしいけれど、 まだ心の準備ができてないからあとすこし。 そんな矛盾を感じながら時計台にもう一度視線を向けようとした、 その、時。 「…、芹ちゃん!」 どんどん近づいてくる、心地よく耳を刺激する声。 「…遅くなって、ごめんっ…」 …走ってきて、くれたのかな。 隣に着いてすぐ、膝に手を当てて肩で呼吸してる。