「勇太、バトン練習しよー!」




やっぱり、何かがおかしい。

…視界、が、はっきり、しない。

「そういえば、順番ってどうなっているの?」

と、それでも私は

明るく振る舞う。

「順番は確か、翔で梨紗で私で勇太。

 そうよね?翔。」

「おう、合ってるよ」

…あー。

意識がもうろうとしてきた。

もう、限界、かも…。

「じゃあ、始めよっ…!

 ゴホッゴホッ。ハーハー、ゼェゼェ……。」

「おい!!梨紗、大丈夫か?」

「ゴホゴホッ…勇太…苦し、い…。

 …ゴホッ、ハーハー…ケホッケホッ……」

「おい!梨紗、落ち着け。

 翔!!先生呼んで来い!」

「お、おう。分かった。」

「梨紗、梨紗。

 大丈夫!?しっかりしてよ!」

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由梨の言葉を最後に、

私は意識を手放した。