「……遅い。」


「すいませんでした。」



頬を膨らませ、布団の中に潜り込んでいる妹こと、夏実。


ベッドの前で深々と土下座している哀れな兄こと、俺。



「全く、何分待ったと思ってんのよ!!」


「十三分です。」


「何でそんなにトロイのよ!馬鹿兄貴!!」



あぁ、何と口の悪い妹なんだろう……。


お兄ちゃんは軽く凹んだぞ……。



「まぁ、リンゴ切ってくれたら許す。」


何だよ!自分でやるのが面倒くさいだけだろ!!



だかそれを本人に言えるはずがなく、仕方なくリンゴを切り始めた。