「流華ッ…平野…お前がやったのか…」
「騎士(ナイト)のお出まし…かな?」
「平野ッッ…テメェッ…流華ッ!今助ける‼」
「だめっ翔雨!!来ちゃダメッッ!!」

私は必死に叫んだ。でも、怒り狂った翔雨には届かない。

こんなに怒っている翔雨を見るのは、初めてだった。

「流華チャン。しっかりと目に焼きつけておくといい。君の騎士(ナイト)の哀れな最期をね…」

パチンッ

また平野が指を鳴らす。
そしたら、一斉に不良達が翔雨へと向かう。

「やめてッ、やめてッッ!お願い平野ッやめさせてッッ」
「…ヤダ」

バキッ バコッ

「う…ぐぁ…かはっ…」

翔雨が血を吐く。

不良の数は、ざっと見20人以上はいる。

そんな数…翔雨一人で敵うハズがないッッ

「…めて…やめてぇぇーーーーッッッ」
「ふふっ、ねぇ流華チャン。あんな弱っちい奴のどこがいいの?やられっぱなしだよ?彼。あぁ、もうすぐ死ぬかもね」

ズザァァーーー

倉庫の外にいた翔雨は、不良達に勢い良く蹴飛ばされ、とても近い所まで来た。

「翔雨ッッ翔雨ッッ…お願い返事をしてッ!翔雨ッッ!!」

気を失っていた翔雨は、私の声に少し反応して、小さな呻き声を上げた。

「…うっ…がはッごほッ…流…華…?」
「翔雨!!しっかりしてっ」
「…ご…めん…な…」

途切れ途切れに謝る翔雨。

「なんで…?なんで謝るの…?」
「約束…守れそうに…ない…から…」

“約束”それは、付き合い始めてすぐの頃にしたもの。

『ずっと一緒にいる』

それが私達の約束だった。