「もちろん、翔雨のことは忘れられてない…ううん、忘れちゃいけないと思う。あの時のことも全部受け止めて前に進まなきゃいけない。昔の私だったら、こんなこと考えもしなかった。ただ忘れたい、忘れたいって苦しんでたと思う。そんな私を変えたのは、他でもない太陽なんだよ?」
「嘘だ…」
「嘘じゃない。私は、太陽に救われた。太陽がいるからこの世界で生きていられる」
オレは、この世界に必要なのか…
オレがこの世界で生きることが許されるのだろうか…
「同情だと思われるかもしれない。でもそうじゃない。太陽が独りなら、私が傍にいる。今度は私が、傍にいて支えるから…」
涙腺が壊れてしまったように涙が零れる。
「もし太陽が、自分が必要のない存在だと思っているのなら。それは間違い。この世界に必要のない存在なんて無いんだよ。もし、この世の全てが貴方を非難しても、私だけは太陽の味方だから…」
お前は強いな、流華。オレは、お前に救われたよ。
「…ありがとな…流華…」
オレは静かに涙を流した。
