~太陽 Side~

「あ~、面白かった!!」

オレはまた、喉を鳴らして笑う。

でも、あんなことでもしねぇと、本当に崩れてしまうと思った。

「何してんだろうな…オレ…」

もう、オレに誰かを愛する権利なんてないのに。

「神とか、本当は信じてねぇけど、今回だけは信じてやる」

眩しい程の大空を見上げる。

「…お願いだから、もうこれ以上、流華を苦しませないでくれ…」

ただひたすらに願った。



~柚花 Side~

6時限目の終わり頃に流華が帰って来た。
相変わらず、教室では流華は喋らないし無愛想だけど、何となく行った時の雰囲気と少し違う気がした。

「こらぁ、どこへ行っていたんだ蒼園」

数学の小野町(通称テカりん。由来は禿げているため)先生がなんとも迫力がない言い方で流華に言う。

「…ちょっと気分が悪くなったので、空気を吸いに、屋上に行ってました。」

流華が素っ気なく言い放った。

あーあー流華ってば、そういう言い方するから、
近寄り難いって思われるんだよ。

「そうか。だがダメだぞ。俺の授業に出ないのは」

そこかよ。普通、屋上には行くなとか、授業をサボるなとかあるでしょ。
てか、“俺の”って何?どの授業もダメでしょ。

「すいません。以後、気を付けます」
「よろしい。席につけ」

よろしいのかよ。

…って、そんなことじゃないわ…

教室出てった時はすごく暗い感じで、何か悲しい顔してた。
でも、帰ってきてからは、なんかふっきれた感じ。

ずっと一緒にいるから、なに考えてるのか、何となくだけど分かるんだよね…。

…でも、何があったんだろ…。気になるなぁ~…。

よっし、取り敢えず手紙まわしてみるか。