「なんで…どうしてッ…約束…ずっと一緒にって…」
「…ごめん…」
「なんで謝るのよぉ…謝らないでよ…」

ぼろぼろと涙が溢れ出す。

「…流華…俺…流華に逢えて…ホントによかった…」

どんどん血が流れていく。

「お願いだ…流華…俺の分まで生きて…」
「なんでそういうこと言うのよぉ…。やだよ…私…翔雨のいない世界でなんて生きれないよ…」
「…お願い」

翔雨は優しく微笑んだ。

「俺は…流華の幸せを…心から願ってる…」

そう言って翔雨は目を閉じた。


「翔雨…?ねぇ…翔雨ってば…ウソでしょ…?ねぇ…返事してよ…翔雨!!!」

それから、翔雨が目を開けることはなかった。

「亜岐波は君が殺したんだよ?流華チャン。これからは、罪を背負って、もがき苦しんで生きていくといい」

平野はそう言って去って行った。
不良達もその後に続いて行く。

いつの間にか身体を縛っていた縄は解けていた。

自由になった身体で、翔雨を抱き起こす。
抱き起こした翔雨の身体は、まだ微かに温もりを持っていた。

顔を真っ赤にして告白してくれた翔雨。
私を抱きしめてくれた翔雨。
いつも私の側で笑っていてくれた翔雨。

色々な翔雨が走馬灯のように頭に浮かんだ。

私は、翔雨の笑顔が、何よりも好きだった。

でも、もう翔雨が私に笑いかけることはない。

「ふ…ひっく…翔雨…翔雨…」

倉庫の外では、血塗れたひまわりが雨に打たれていた。