願わくば、どうか。

 
 
…あ、今の夢だったか。
朝かと思って、流行りにのって機種変した携帯をタッチする。
ロックを解除すれば、時刻はまだ夜中2時台。
 
 
明日は日曜日だし、急いで寝ることもないか、と薄らグレーかかった天井に目を泳がせる。
 
 
 
 
6年前くらい、中学生のころの夢を見た。
当時仲の良かった5人組。
運動の得意だった子、お笑いが好きだった子、物静かで大人っぽい子、天然な末っ子気質な子、そして自分。
 
 
あのとき自分はどういう立場だったんだろうか。
本当にみんな仲が良くて、本気の喧嘩なんて見たことなかった。
 
 
 
 
 
 
本が好きで、あと音楽が好きだった。
それは今も続いていて、今は大学でバンドを組んでギターを担当している。
たまに作詞もするし。
 
 
 
 
夢の内容はただ単純。
夏の焼けそうなアスファルトに負けて、校則で禁止されている買い食いに走った。
提案したのは運動が得意だった子。
意外とみんな反対しなかったから、本当に暑い日だったんだろうな。
 
 
みんな思いおもいのアイスを買って、近くの公園のブランコ周りを陣取って食べた。
 
 
あんまり覚えてないけど、多分これは本当にあったことな気がする。
 
 
 
今も別に仲が悪いわけじゃなくて、たまに、本当にたまに一部の子とは会ったりする。
高校卒業を期にだんだんとみんな大人になっていったんだろう。
 
 
 
ただ、それだけ。
 
 
 
 
 
考えたら尽きないけれど、夢って、ほら、現実への暗示とかいうし。
 
 
 
夜が明けたら、またみんなに連絡してみようか。
 
 
大人になったし、お酒でも飲みませんか、って。
 
 
 
 
 
どうか、君たちがあの頃のままでありますように。
 
 
 
どうか、君たちが今も未来も幸せでありますように。
 
 
 
 
星空に思いを馳せる。
 
 
 
どうか願わくば、君たちの目覚めが良いものでありますように。
 
 
 
ね、みんな。
 
 
 
"おやすみ"
 
 
 
 
end